VRoidをLightwaveで使えるようにする

今回は先月pixivから公開されたVRoidをLightwaveで使えるようにやり方を説明していこうと思う。

VRoidはまだベータ版で女性しか作れないが、いずれ男性も作れるようになるので期待度は高い。特にリアルではなくアニメ顔なのでラインレンダーで輪郭を強調することでセルアニメのような表現が良く映える。さらにエクスポート出来るので他の3Dソフトへ出力出来る点が素晴らしい。これでMakeHumanと合わせればリアルとアニメ調の2タイプの人型が簡単に作れるようになった。

また髪の毛はVRoidで作れるわけなのだがメッシュだとレイアウトの物理演算とあまり相性が良くないのでモデラーからFiber_FXで新たに作って合わせた。ただFiber_FXだとラインレンダーが反映されないので一長一短な感じではある。

比較的遠回りしながらLightwaveに移植するため少し手間がかかるが、モデリングが下手な人は一考の余地はあるはず。

まずはVRoidの最新版をダウンロードして適当にキャラメイクしていく。髪の毛は作っても作らなくてもよいが、エクスポートするときには消しておいた方が後が楽だろう。

好みのキャラが出来たらエクスポートでデータを保存するが名前は半角英語で。

拡張子が.vrmという見慣れないものでunityで使えるようだがLightwaveでは対応していないので、まずblenderでインポートしてから.obj変換してLightwaveに移す形になる。

しかし、blenderでも.vrmには対応していないので拡張子を.vrmから.glbにリネームする。

.glbとはglTF形式の拡張子でこの形式ならblenderでインポートすることができる。

リネームすると.vrm独自の情報が消えてしまうがこの際仕方ない。多分消えるのはポーズやモーフィングの類だろう。

blenderは初期状態で.glbをインポートすることが出来ないので、プラグインを入れてアドオン設定をしなければならない。v2.79推奨なので古い場合はアップデートしておこう。

ここからgltf-blender-importerをインストールして解凍した後blenderのプラグインファイルに移す。アドオンからglTF 2.0 importerをオンにして更新。

インポーターから読み込み出来るようになったと思うのでファイルを読み込む。

モデルに沢山の線が出ているが気にせず今は放っておく。ブレンダーですることは.objに変換することともう一つ、テクスチャの回収である。

1の所をクリックして3DビューからUV/画像エディターに変え、2の場所をクリックしてテクスチャを一つ選んで3の画像から別名で保存を選んで画像を回収していく。保存名は下の画像を参考にしてくれればいいと思う。重複しているのはクリップマップ用に加工したものなので2とか3が後ろに付いているのは気にしなくていい。

2の全てが別名保存出来たらエクスポートで.objを選んで保存する。

フォトショでクリップマップ用テクスチャのアルファを白で塗った画像を新たに作っておく。ハイライト等の元が白いテクスチャは黒く塗っておくといい。


Lightwaveのモデラーを開いてobjを読み込み、まずショートカットWを押して無駄なポイントである0ポリゴンを全て消す。次にUV毎にメッシュが切り離されているので腕や手首を結合させる(これをやっておかないとラインレンダーが綺麗に映らない)

色編集からテクスチャを貼っていく。UV設定はされているので回収したテクスチャを張っていけばいい。クリップマップもついでにやっておく。スカートであるbottomは両面設定にチェックを入れておく。

セットアップからFiberFXを選んでテクスチャはhairbackを選択し髪を生やし、Genoma2も同様に設定していく。作り方は前のブログから漁ってくれ。


レイアウトにオブジェクトを移してFiberFX設定を開く。

今回はアニメ調の設定のため、ジオメトリタグのファイバー幅を1mm、スタイリングタグから斜角を60%、房を30%、塊を100%にした。こうすることでボリュームを出しつつ綺麗なギザギザヘアーにすることが出来る。

あと重要なのはラインレンダーとサブリメイションセルシェーダーである。

ラインレンダーを適応するにはまずレンダータブのレンダープロパティからレンダータブのラインレンダーにチェックをいれる。

レイヤー1のオブジェクトを選んでプロパティからプリミティブタブの輪郭を選んでシルエットエッジと共有しないエッジを適応させていくのだが、そのまま使うと目の輪郭にも適応されてしまい、汚い表現になってしまう。

モデラーに戻って新しいウェイトマップを作って体全体を選択して100%でウェイトを付ける。その後、目と口の周りだけ選択してウェイトを0%にする。

レイアウトに戻り、シルエットエッジの上にあるノード編集にチェックを入れてからクリック。

Vertex Map内のウェイトマップを選んでそれをクリックして先程のウェイトマップを適応させて上の画像のように繋げる。次にTools内の色作成から色を作って繋げる。絵を描く人ならわかると思うが肌色の輪郭に黒を適応させてしまうと固い印象を与えてしまうので、肌に近い濃い色に変えて柔らかい印象にした方が女性キャラなら好ましいだろう。これでラインレンダーはOK。


サブリメイションセルシェーダーはアニメのように塗りつぶす表現が出来る機能で色編集から行うことが出来るが、その前に少しだけ髪を調整する。

髪の元となるオブジェクトを選んでプロパティのレンダリングタブからカメラ無効にチェックして、事故の影、影を落とす、影を受けるのチェックを外しておく。

色編集から髪のファイバーを選んでシェーディングモデルタブのシェーディングモデルをサブリメイションセルシェーダーに変えて下のオプションを押す。領域の色1234に好きな色を入れて下の%で調節する。色は1が濃く、4が薄くなるように設定すると綺麗にまとまりやすい。

同じように肌や服にセルシェーダーを適応させてあげれば問題は無い。

後は好きにポーズさせて不具合が無いか確認してレンダリングして完成。


大半はMakeHumanと同じような感覚でやっていければいいのだが、目が球ではないので、目の設定だけは少し面倒だった。なんなら目だけ球に変えてもよい。ただ驚く表現として瞳孔を小さくする表現を使いたい場合はモーフで目のメッシュを小さくすればいいだけなのでこの場合は簡単に設定することが出来るはず(今回モーフは設定していないので確認はしていない)

VRoidだけでもポーズをしながら目や口を動かせたりできるので簡単に済ませたいなら背景を緑や青に変えて切り取って加工するって手もあるが、やはりLightwaveの強みも存在する。特に先程のセルシェーダーのような他の3Dソフトにない表現をすることで同じモデルでも見え方がかなり変わってくる。


全ては制作者の好みではあるけれど、vtuverのような表現は簡単に作れはするがメリハリが無く作品としての価値は殆どないと思っている。映像だけでは映えないので深みのある味にするにはやはり技術を学ばなければならない。という訳で環境光やエフェクト、パーティクル、カメラワークといった部分をもう少し勉強して表現力を高めようと思う。

という事で次はそんな感じのを更新しようと思います。



NIE CREATION

イラスト 3DCGアニメーション 音楽 を中心に制作しています。

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